ネスレ日本、日清紡が実現させた「廃棄紙とコーヒー残渣からの洋服作り」とは?その中身に迫る

東京ウォーカー(全国版)

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品質レベルは安定に近づいたものの、さらに向上させたい


素材のアップサイクルだけでなく、その制作フローにおける環境負荷に対してもきちんと配慮している点が素晴らしいが、しかしこの取り組みにはまだまだ課題もあるという。

「紙糸にするためには、一定の品質の再生紙を作る必要があり、今回のようにTシャツに仕上げるには、生地に仕上げるまでに抄紙・スリット・編立の各段階で非常に多くのロスが発生しました。

取り組みを始めた頃に比べれば、かなり品質レベルは安定しましたが、今後、より安定し合理的なアップサイクルになるよう、さらに向上させていきたいと思っています」(ニッシントーア・岩尾・担当者)

小売店における「ボックス設置」や他業種、団体などとの連動も


【写真】今後さらなる設置を進める「空きパッケージを回収するボックス」

10月より実施となった神戸市と共同でのプロジェクトのフロー 

これらのアップサイクルのフローを構築するのと合わせて、全国のスーパーマーケット(コープさっぽろなど)をはじめとする小売店とも連携し、「空きパッケージを回収するボックスの設置」も進めるという。

さらに、将来的にはリサイクルした繊維や染料を使用した製品を日清紡グループからアパレルメーカーに供給することも検討中とのこと。吉本興業とアップサイクル衣服の製品化や、神戸市と共同で児童養護施設にアップサイクル衣服を贈るプロジェクトも実施され、今後の動きにも目を離すことができない。最後に、ニッシントーア・岩尾の担当者に今後にかける思いを語ってもらった。

「繰り返しになりますが、普段捨てられてしまう使用後の空きパッケージや食品残渣から、皆さまにとって身近な衣料にアップサイクルし、廃棄物削減に向けた取り組みを進めることを目指しています。

そして、ネスレ日本、ニッシントーア・岩尾両社の取り組みが、昨今社会的な問題となっている食品廃棄ロスや、アパレル業界における環境負荷の問題に貢献できることを目指しています。

こういった両者の取り組みと活動を、多くの方に知っていただくことで、社会全体のサステナブルな活動に少しでもつないでいければと思っています」(ニッシントーア・岩尾・担当者)

ネスレ日本、ニッシントーア・岩尾の取り組みに今後も要注目

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