潮っぽい風味を楽しめるスーパーハイボールとは？／むぎが氏とワンルーム酒場(5)体力ゼロでも最短で作れる最強おつまみ

飲むと言ったらわが家一択……！カクテルコンペティションにて特別賞を受賞し、バーテンダーの経験もあるYouTuberむぎが氏。YouTubeでは連日、晩酌の様子を配信し、「朴訥(ぼくとつ)とした語り口に癒やされる」「手際のいい調理は見ていて気持ちいい」「画面からお酒の味が伝わってくる」など話題沸騰中。お酒を愛し、お酒に愛されたといっても過言ではない彼女による、ワンルームで楽しむ晩酌エッセイ連載。連載第5回は、疲れた夜でも楽に作れる簡単おいしい最強おつまみをご紹介！

体力ゼロでも最短で作れる最強おつまみ

今日も疲れた。残されたHP（ヒットポイント）は10くらい。

とりわけ毎日大したことはしていないのに、夕方ごろには体が疲れてふらふらする。何年か前は平日の夜からカラオケオールして次の日いつも通り仕事に行ったりしていたが、今となっては金曜日でも朝まで飲むのは覚悟がいる。若き日の「ええい！もう終電いいや！朝まで飲もうぜ！ガンガンいこうぜ！」が無い。選択するのは常に「いのちだいじに」だ。

余裕でオールができていたあの頃が懐かしい。金曜日の夜中3時ごろに適当な居酒屋に入り、夢を語り合い、始発を待っていたあの時間はもう来ないのかと思うと、寂しさすらも感じる。酒臭い土曜の始発に乗り込み、グーグー寝てしまい、始発から終点までを往復するのは、同胞の皆様なら1度は体験しているだろう。

さて、仕事が終わり、疲れた体を満員電車にねじ込み、お家へ帰る。前後左右、ぎゅうぎゅうに人に囲まれたこの時間は苦手を乗り越えてもう何も考えないように、何も感じないように心をOFFにしている。それはもはや瞑想にも近い。マインドフルネス！！！！ヘイ！！！！

駅につき、行きつけのスーパーで本日の晩酌の献立を考える。今日はもう疲れたから乗せるだけで完結するおつまみに決めた。こういう時に役に立つのは餃子の皮だ。大判で薄い餃子の皮をカゴへ入れる。あとは、最近旬な時期なのかは分からないが、よく売っているしらすもカゴへ入れる。

うーん……。これだけでは少し寂しいので豚バラと豆もやしも買って、レンチンおつまみでも作ろうかしら。豚バラがあることで、晩酌の安心感（ボリューム感）が生まれる。どんなに疲れていてもガッツリとしたおつまみは1品だけでも入れておきたい。野菜は豆もやしじゃなくても、キャベツとかでも良いのだが、切るのが面倒だし、豆もやし安いし美味しいから残念ながらキャベツは脱落だ。ヘッ！！！（キャベツごめんね）

買い物が終わり、いつもの変わり映えしない帰り道をぽつぽつと歩く。変わり映えしない生活にピッタリな雑草が生い茂る道、晩酌までのビクトリーロードだ。しっぽりと佇ずんでいる街灯は、約束された勝利へと誘（いざな）うお城（私のお家です）までの道標だ。脳内ではサライが流れる……と、毎日大したことしていないのに私の脳内は盛大だ。24時間テレビのマラソンランナーのように今日も1日ヘトヘトに疲れ、お城へと帰りました。

満員電車、買い物で私のHPはもう3です。だがしかし！！！限界の体力の時に、なぜか謎の集中力が訪れる。スマホの充電が1%でも、「あれ？意外と1でも動いてるな？」と思う時、あなたにもありませんか？そうなのです。体力が極限に落ちた時、無駄な行動がなくなり、よりシンプルにスピーディな行動をすることってありませんか。残りの体力で消費するべき箇所は、脳みそだ。頭の中で晩酌への最短工程を導き出す。