ムロツヨシ初の主演映画で新たな試み「欲を捨てて、感情の赴くままに」

2021年9月25日 16:41更新

東京ウォーカー(全国版)

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映画『マイ・ダディ』で主演を務めたムロツヨシ撮影=久保田司

コメディからシリアスまで幅広い作品に出演し、今年は東京スカパラダイスオーケストラとのコラボソング「めでたしソング feat.ムロツヨシ」のデジタルリリースや、舞台「muro式.」のプロデュースなど、マルチな才能を発揮しているムロツヨシ。彼の初主演映画となる『マイ・ダディ』は、白血病で倒れた娘のために奮闘し、切ない過去とも向き合う父親の姿を描いた作品だ。父親・御堂一男(みどうかずお)を熱演したムロに、本作への思いや役を通して感じたこと、さらに昨年の自粛期間中に行った新たな挑戦について語ってもらった。

完成した本作を観て「自分もこんな顔をするんだ、という驚きがありました」

――本作の公式サイトで「この物語の父になりたいと思いました」とコメントされていましたが、御堂一男というキャラクターのどんなところに惹かれたのでしょうか。

【ムロツヨシ】一男は小さな教会の牧師で、“愛を信じましょう”、“愛は素晴らしいもの”と、常日頃からその信念を持って生きてきた真っすぐな男です。ところが、とある出来事が起きたことで愛を信じられなくなるんですね。

だけどその原因である自分を裏切った相手を恨むのではなく、自分自身を否定していく姿に一男の人間臭さを感じて、そこがすごく魅力的だなと感じました。あと、娘のために必死になって奮闘する姿や、一男の父親としての生き方にも惹かれました。

【写真】ムロツヨシが父親役を熱演!映画『マイ・ダディ』メインカット(C)2021「マイ・ダディ」製作委員会


――完成をご覧になってみていかがでしたか。

【ムロツヨシ】脚本作りにも少し関わらせていただいたこともあって、正直、冷静な気持ちでは観られなかったのですが(笑)、物語が進むにつれてこの作品が生まれてくれて良かったと感動しましたし、自分もこんな顔をするんだ、という驚きがありました。本作の撮影中はモニターチェックをほとんどしなかったので、完成した作品を観て初めて気付くことが多かったです。

――本作はムロさんにとって初の主演映画になりますが、これまで参加された作品とは違うアプローチの仕方をされたと伺いました。

【ムロツヨシ】主演だからというわけではないのですが、今回は僕の中に蓄積された、役者としての成功体験や失敗した経験のデータを、一度消去するところからはじめました。

――作品ごとにデータとしてご自身の中に記憶されているのですね。

【ムロツヨシ】そうです。その記憶のデータの中から、こういうお芝居をしよう、こういう風に台詞を言おう、こういう表情をしようと選択してお芝居していたのですが、今回はそのやり方じゃないほうがいいと思いました。

例えば、コメディ作品に参加する時は、それまでの経験から自分の中である程度“武器”を用意して、そのうえで作品に挑むことが多かったのですが、今回はそういった準備はせずに、台本をとにかく読み込んで、現場で監督や共演者、スタッフの皆さんとお芝居を作っていくというやり方をしてみたんです。

撮影=久保田司


――だからこそ完成をご覧になって「自分もこんな顔をするんだ」という発見があったのかもしれませんね。

【ムロツヨシ】そう思います。僕は映像よりも先に舞台のお仕事をしていたこともあって、毎日同じお芝居を繰り返しながら、いかに新鮮にやれるかという訓練に慣れてしまっていたんですね。それ故に、映像のお芝居の醍醐味ともいえる「感情を表現すること」を、どこかおろそかにしていたようにも思うんです。

でも、本作は感情を表現することを大事にお芝居しないと、この物語を生みだしてくれた監督兼脚本の金井純一さんに失礼になってしまうと感じて。それでやり方を変えることにしたのですが、今回はもうひとつ、欲を捨てることも意識していました。

――それはつまり「良いお芝居をする役者だな」とか「すごい役者だな」と思われたいという欲求のことでしょうか。

【ムロツヨシ】それもありますし、お芝居で褒められたいとか、いかに自分のお芝居がよく見えるようにやるかとか、自分のお芝居で人を泣かせたいという欲ですね。

そういうことを意識して今まではやっていたのですが、今回はそういった欲をいったん忘れて、感情の赴くまま、現場で生まれた感情を信じてお芝居をすることを最優先にやっていたように思います。

映画『マイ・ダディ』場面写真(C)2021「マイ・ダディ」製作委員会


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