「夢の国」の事業や株価動向も解説!公認会計士くろいが“オリエンタルランド”を探る
東京ウォーカー(全国版)
「現金および預金の欄を見ると2216億円あります。さらに現金と同じくらいの社債があります。現金と同じくらいの負債があるのは、社債で資金調達をしたということです。2019年に何かしら投資やアトラクションなどの建設が始まり、それを補填するために社債を発行。2020年になって業績が低迷し、2021年3月期のコロナ絶頂期には営業キャッシュフローがマイナスになって多額の資金調達を行っています」
「ではどういう名目で資金調達をしたのでしょうか?実は決算短信のMD&A(当期の経営成績などを経営者の視点で振り返り、経営成績の増減要因などについて説明するもの)によると、2023年開業予定の“ファンタジースプリングス”など、長期的な成長投資に対する設備投資資金に充当する社債を発行したことがわかります」とくろい氏。
「さらに2020年にはみずほ銀行と2000億円のコミットメントラインを設定しています。コミットメントラインとは銀行が実行を約束する融資枠のこと。新規事業がGOになったら、すぐに2000億円の融資が受けられるように締結したのです。実際に2020年9月には1000億円の社債を発行しています。機動的な資金調達のためにはこうしたコミットメントラインを締結しておくことが必要です」と話した。

また損益計算書から、くろい氏は2020年より2021年のほうが原価率や販管費が大幅に減っていることに着目。「販管費の内訳としては給料を前期142億円、今期は109億円と40億円も減らしています。またキャストや清掃員にかかる業務委託費も前期は91億円でしたが今期は76億円です。相当リストラを行ったことが見受けられます」と解説。
さらに「いきなり休業になったスタッフのために国から雇用調整助成金を受け取っています。受け取った79億円を売上原価から引いて、販管費からも12億円引いています」と説明した。
次回は企業の決算発表前の総復習として今までのおさらいと質問回答を行う。「もし聞きたいことがあれば、ホームページのお便りフォームから質問してください。お待ちしております!」と次回に対する意気込みとともに今回を締めくくった。

公認会計士くろい:2020年1月より公認会計士YouTuberくろいとしてデビューし、2022年1月時点で登録者1.9万人という公認会計士YouTuber界ではトップクラスのチャンネルを運営
なお、
チャンネル
は月額550円で、月2回の生配信を行う予定。チャンネル会員になると、会員限定パートを含む生放送全編を見ることができる。
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文=小山芳恵
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