コーヒーで旅する日本/関西編|多彩なブレンドとキャッチーな提案で、コーヒーをもっと身近に親しみやすく。「KAMIN COFFEE ROASTERS」

関西ウォーカー

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全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも、エリアごとに独自の喫茶文化が根付く関西は、個性的なロースターやバリスタが新たなコーヒーカルチャーを生み出している。そんな関西で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

店が立つのは、3年前まで岩出市のメインストリートだったエリア


関西編の第13回は、和歌山市の隣、岩出市にある「KAMIN COFFEE ROASTERS」。店主の西田さんは、「自分の手で作ったものをお客さんに届けたい」と百貨店の仕事から転身し、焙煎士として生来の職人気質を発揮。和歌山では数少ない、スペシャルティコーヒー専門の新たなビーンズショップとして注目の存在だ。2年前の開店以来、モノ作りへの強い思いと共に、コーヒーの魅力を広める柔軟な発想で、着実に地元の支持を得つつある。

店主の西田武史さんと奥様の麻由さん。時には娘さんがお手伝いに来ることも


Profile|西田武史
1981(昭和56)年、和歌山県紀の川市生まれ。大学卒業後、百貨店で8年勤めた後、コーヒーの道へ進むため大阪のカフェに転職。地元和歌山で、ラーメン店が手掛ける自家焙煎のカフェ・フェイバリットコーヒーの立ち上げに携わる、店長・焙煎士として9年を経て、2020年に和歌山県岩出市に「KAMIN COFFEE ROASTERS」をオープン。

モノ作りへの思いが拓いた焙煎士への道

雑貨店を思わせるスタイリッシュな店内

「KAMIN COFFEE ROASTERS」の一日は、焙煎からスタートする。7時ごろから、店主の西田さんが豆を焼き始めると、店の煙突からは白い煙がふわふわと朝空へ立ち上っていく。「KAMINはドイツ語で煙突の意味。英語も候補にあったんですが、より職人ぽい響きが気に入って」という西田さんが、コーヒーの焙煎を生業としたのも、根っからの職人気質ゆえだ。大学を卒業後、一度は百貨店に勤めるものの、「当時から、先々は喫茶店をしたいな、という思いはありました。百貨店は、すでに完成した商品を販売する場所ですが、徐々に、自分で作ったものを提供したい、モノ作りに関わりたいという思いが強くなっていきました」

入口の引戸は、築100年を超える蔵に使われていた銅板を張り合わせたもの


地元でラーメン店を営む知人から、新たなカフェを立ち上げる話が舞い込んだのは、百貨店に勤めて8年が経った頃。「ラーメン店はお客さんの滞在時間が短いので、別でゆっくりしてもらえる場を作りたいという相談でしたが、コーヒーの焙煎も担当できるというのが決め手の一つになりました」と、新たなカフェ・フェイバリットコーヒーの立ち上げに向けて動き出した西田さん。修業も兼ねて大阪のカフェでキッチンやサービスを経験し、東京のコーヒー器具メーカー・珈琲サイフォンのセミナーにも参加。とはいえ、焙煎に着手できたのは、フェイバリットコーヒーの開店直前のことだった。

「家でも手焙煎をしていたものの、初めて焙煎機に触った時は、豆の見た目こそ手焙煎の時と同じでしたが、なぜかおいしくなくて(笑)。当時は定番のブレンド2種と日替わりを1種、カフェで使う分だけでしたが、それでも、焙煎を任せてもらったことで、試行錯誤ができたのは貴重な経験でした」と振り返る。

豆を保管する容器も、カラフルなラベルで分かりやすく管理

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