化学メーカーがなぜ乳製品事業に?「パン好きの牛乳」1000万本ヒットで見えたネーミングの極意
東京ウォーカー(全国版)
後続の商品展開とおすすめのパン
発売から約5年で「パン好きの牛乳」の認知度は20%、20〜30代の女性では30%ほどになるという。齋藤さんは「これからもっと認知を広めていきたい」と話すが、これは後発かつ社内で初めてのBtoC(企業から一般消費者への販売)商品ということを踏まえると奮闘している数字だという。
そして「パン好きの牛乳」のヒットを受けて、「パン好きのカフェオレ」「パン好きのミルクティー」という後続商品も誕生した。
「『青山パン祭り』でバリスタの方と出会ったことをきっかけに、カフェオレのアイデアが生まれました。また、カフェオレを開発する際に、やはりパン愛好家の方にご協力をいただきました。お話を聞く中で、次はミルクティーがいいんじゃないかという意見があったり、調査データでもパンに合わせる飲み物の第3位がミルクティーという結果が出ていたりしたことから商品化に至りました」
せっかくなので、それぞれの商品と合わせるのがおすすめのパンについても教えてもらった。

「牛乳ですと、定番のあんパンやカレーパンはもちろん合います。また、食パンなど小麦の味を楽しむようなものとも相性がいいです。牛乳のコクはあるけど後味がスッキリしているので、繊細な味わいを邪魔せず、よりおいしくいただけると思います」

「カフェオレはパッケージにもクロワッサンが描かれているように、バターがたっぷり入っているオイルリッチなパンも合いますし、チョコレート系もコーヒーの苦みとマッチするので非常におすすめです」

「ミルクティーはシナモンロールのようなスパイス系のパンですと、紅茶の香りと合わさって相性がいいのと、クイニーアマンのような甘みが強いパン、しっとり甘い生地を味わうスコーンなどとすごく相性がいいです」

今後の展望としては、「魅力ある酪農を作っていくことが、事業として一番やりたいこと」だと齋藤さんは語る。
「酪農は、後継者不足や高齢化が進んでおり、国内の酪農家さんの数が減っています。そのため、当社は酪農家さんと一緒になって魅力ある酪農業を実現できないかと考え、今は北海道の酪農家さんと直接契約して取り組みを進めています。現場を化学の力でアップデートすることが一番大きなビジョンとしてあって、直接契約した生乳をただ安く売るのではなく、生乳の価値を伝える製品を作っていくという一連の流れが我々の乳製品事業となっています」
取材・文=大谷和美
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