コーヒーで旅する日本/関西編|“なりたい気分”でコーヒーを提案。「TRIBUTE COFFEE」が目指す、心地よい街のサードプレイス
関西ウォーカー
店を出た後に、少しでも心が豊かになる場所に

栗林さん自ら考えた、ゆったりと落ち着いた空間もまた、じっくりコーヒーを味わうに相応しい雰囲気。「カフェが好きで、今までいろいろ行った中で自分の中に蓄積されたイメージが、形になったのがこのお店。年季の入った調度や家具をベースに、ありきたりではない内装にしたかった」と、アールの付いたカウンターをはじめ、細部にまで栗林さんの感性が行き届いている。とりわけ、中央を占める大きなテーブルは、「このテーブルが入る物件を探すのに苦労しました」という、店のシンボル的存在。シームレスなレイアウトで、多くのお客が緩やかにつながるような空間も魅力の一つ。開店から3年を経て、着実にファンを増やしている栗林さん。その原点は、やはりお客へのもてなしにあるようだ。「お客さんに喜んでもらえることが一番のやりがい、日々、それを実感しています。前職でも、店長として現場にいる時が一番楽しかったという感覚が、店を開こうと思った大きな理由の一つ。今は、自分の店ですから思い入れの深さも違いますし、これから長く続く店にしていきたいですね」

さらに現在は、店作りに加えて、焙煎というモノ作りも加わる。「自分で焼いたコーヒーを提供して、継続して味わってもらうサイクルが、少しずつ実現できていると思います。ただ、焙煎を始めて3年経つと、豆の変化に対する感覚がだんだんと鈍ってきます。最近、行った焙煎セミナーで、“焙煎は最終的に匂いで判断する”という話を聞いて、焙煎過程において自分の感覚で向き合う大切さを、改めて見直す機会になりました」
今も試行錯誤を重ねて、理想の店作りを追求する栗林さん。最後に、自らが目指すサードプレイスのイメージを聞いてみた。「ここで過ごすことで、何かを感じ取ってもらう場所でありたい。楽しい気分、くつろいだ気持ちになったり、新しいアイデアが浮かんだと感じてもらえたり、そういう時間を提供できればと思います。コーヒーのメニューに記した、“なりたい気分”のカテゴリーは、ここで感じてもらえる“何か”の一部を示したもの。どんな気分であれ、店を出る時に心豊かになってもらえればうれしいですね」

栗林さんレコメンドのコーヒーショップは「Sentido」
次回、紹介するのは、京都市中京区の「Sentido」。
「創業から10年、いい意味で目立たず、さりげなく地域の日常に根付いた素敵なコーヒーショップです。コーヒーは浅煎りがメインで、素材の良さを引き出した焙煎が素晴らしい。フルーティーな甘み、アフターテイストがきれいで、口当たりも心地よい。家が近所で、普段からよく通っていますが、ドリンクとしての完成度が高いなと感じます」(栗林さん)
【TRIBUTE COFFEEのコーヒーデータ】
●焙煎機/フジローヤル1キロ(半熱風式)、ディスカバリー
●抽出/ハンドドリップ(ハリオ)
●焙煎度合い/中浅煎り~中深煎り
●テイクアウト/ あり(715円~)
●豆の販売/シングルオリジン5~6種、150グラム1210円~
取材・文/田中慶一
撮影/直江泰治
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