コーヒーで旅する日本/九州編|特別じゃなくていいと歩んだ12年。これからも日常に寄り添い続ける。「cafe MARUGO」
九州ウォーカー
自分がいなくなっても地域に根付く店に

白石さんが42歳と遅めの開業だったこともあり、後進の育成にも力を入れる。以前は薬院店で白石さん自身が焙煎を行っていたが、今は2019年11月にオープンした向野店に焙煎所を移し、向野店の店長に焙煎を任せている。

「この12年、店を営む中で私が学んだことは、すべて若い世代に伝えていきたいと思っています。昔は“見て盗め”といった職人気質の教えが当たり前でしたが、これからはそうではなく、私たち世代の人間が積極的に若い人たちに自身が持っている技術や知識を伝えていかないといけないと私は考えています」と白石さん。だからだろう。白石さんの元で働くスタッフは、生き生きとし、厨房内の作業含めて接客も素晴らしい。

焙煎を信頼できるスタッフに引き継いだ白石さんは現在、ベーカリー時代に学んだ技術を活かし、パン作りを担当。毎朝、向野店でパンを焼いた後、薬院店で抽出や調理、接客をするのが白石さんの日常だ。薬院店では平日はイギリス食パンを販売し、土日祝はヴァイツェンもしくはフォカッチャをプラスし、計2種のパンが並ぶ。さらに、自家製スイーツも好評で、常連の中にはケーキや焼き菓子を目当てに訪れる人も多いそうだ。

最後に今後の展望を聞いてみた。「地域に根ざして、長く店を続けることです。私は今年で55歳。もし私がいなくなっても、スタッフたちがMARUGOを受け継いでくれる。そんな店にできたらうれしいです」と白石さんは話してくれた。

白石さんレコメンドのコーヒーショップは「HARU COFFEE」
「清川にある『HARU COFFEE』さんは、当店の深煎りを気に入っていただき、店で使ってくださっています。オーナーの吉浦さんは、初めてお会いした時から、柔らかい印象の人。絵を描くのがお上手で、独特な世界観を持たれています。店を開くにあたり、コーヒー豆選びにはこだわっておられたみたいですね。当店のスタッフも、ちょこちょこ『HARU COFFEE』さんに行っているそうです」(白石さん)
【cafe MARUGOのコーヒーデータ】
●焙煎機/ラッキーコーヒーマシン直火式4キロ
●抽出/ネルドリップ(HARIO V60)
●焙煎度合い/やや浅煎り〜深煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/100グラム680円〜
取材・文=諫山力(knot)
撮影=大野博之(FAKE.)
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
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