天神橋筋商店街のパン店「HATSUTATSU 天六店」のクロワッサンのこだわりとは?【NMB48・出口結菜の#んーーまい大阪パン旅】
東京ウォーカー(全国版)
「パンは寛容で懐が深いもの」フレンチ出身のシェフが語る、パン屋さんが多い理由。
もともとは、フランス料理を勉強していたという宮本シェフ。「残念ながら辛抱が足りず、挫折してしまったんですけど。不器用だしすぐ逃げるしって、教えてくれたシェフたちにも見透かされていた気がします。それでも料理は好きだったので、『何か料理の世界にいられるものを』って考えたときに、パンだ!って。料理の勉強でフランスにいたときに、同じ厨房でパンを焼いている職人がすごく楽しそうに作っていたのがきっかけです。今も料理が好きで、あきらめたわけでもないので、この店の3階で食堂のようなものができないかと、今少しずつ整えているところです」

26歳でパンの道に進んでからは、大阪・淀屋橋にあったフランス料理の名店「シェ・ワダ」へ。「そこのシェフもすごく厳しかったけど熱意がある方で、すごくいろいろなことを教えていただきました。働いて2日目ぐらいのときに、『パン店のシェフをしよう』って言われて。それが自分の経験の中では大きかったです。僕は明確な信念がなくて、シェフや従業員、お客さんたちに助けてもらってここまできました。最初からスターのようなシェフもいるけど、僕はそうではない。従業員がいないとパンを作れないんです。彼らを見ていると、『僕が同じ歳のとき、ここまでがんばれていたかな』って思ったりもして、普段は言わないけどとても感謝しています」
さらに、「HATSUTATSU 天六店」の話題に。「このお店も、中津にある本店を営んでいるときに、お客さんに『天六で店やらへんか』って言われたのがきっかけです。『いいですね』とは言ったけど、まさかこんなにいい場所だとは思いませんでした(笑)。本当にお客さんには助けられています。実は、“影の監督”的なお客さんが3名いて、『これもうちょっと焼いたほうがいいやろ』って言われてよく焼いてみたり、『この食材はこれと合わないんじゃないか』って言われたら、『たしかにな、でも使いたいからどういうふうにしたらいいかな』って考えたりしています」


パンをはじめとした、食べ物の懐の深さを力説してくれた宮本シェフ。最後に、「ケーキの世界にはアングレーズソースというものがあって、凍らせるとアイスクリームに、小麦粉やコーンスターチを入れるとクレーム・パティシエール(カスタードクリーム)になり、卵を多めに入れて蒸し焼きにするとプリンになる。そういうふうにひとつのものから派生していくのが料理やケーキ、パンなんです。最初はひとつだった味も分岐して広がっていく、裾野がすごく広いものだと思うんです。
野菜もフルーツも、切ったらその部分から酸化していくから、おうちでカットして調理するほうがいいと思うし、それが家庭の味になっていく。僕らが提案するおいしい食べ方もあるけど、原価がのって高くなっちゃうし。チーズひと口にしても、『今日はこのチーズにしてみようかな』っていう選択肢があったり、食べ物ってそういうふうに寛容なものだと思うから、『こうだ』って言い切っちゃうとめんどくさくなっちゃう。だからパン屋さんって、この世にたくさんあるんですよね」と語ってくれた。

「なるほど…」と相槌を打ちながら、真剣にシェフのお話に耳を傾けていたゆいなちゃん。これまでとはまた違った角度からの意見を聞くことができる、充実の時間を過ごした。今回もたっぷりパンを購入して、ホクホク顔でお店を後にしたゆいなちゃん。次回はどんなパンやシェフとの出会いが待っているのか?お楽しみに!

取材・文=上田芽依
撮影=福羅広幸
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