コーヒーで旅する日本/九州編|自身が感銘を受けたコーヒーのおもしろさを伝える。「Coffeedot」が発信する体験の共有

東京ウォーカー(全国版)

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尖り過ぎず、主張し過ぎず

水がおいしい熊本とコーヒーの相性はよい

そんな風にコーヒーの多様性を発信している「Coffeedot」だが、エッジや個性が極端に立ちすぎないよう、さらにコーヒーらしいボディ感を表現した豆が比較的多い。勝本さんは「産地や品種、生産処理によってコーヒーの味わいは変わることを伝えたいという思いはありますが、それだけを突き詰めると、苦手意識を植え付けてしまう可能性もあると考えていて。やっぱり余韻の甘さや程よいボディ感といった“コーヒーらしさ”もどこかに残すような焙煎を心がけています」と話す。

豆の種類が多いため、ほぼ毎日焙煎を行っている


同店の焙煎機はフジローヤルの3キロ釜だが、昨今では珍しい直火式だという。スペシャルティコーヒーの焙煎には半熱風式や完全熱風式が適しているというのが一般論。直火式は直接生豆に火が当たるため火力の調整がシビアなはずだ。

「おっしゃるとおりで、ひとときも目を離せませんし、火力の調整がとても難しい焙煎機ではあります。浅い焙煎でいわゆる華やかさや透明感といった部分を昇華させるのは直火式は苦手かもしれませんが、大切にしている“コーヒーらしさ”を表現するのには適しているのかもしれません。大胆な火力調整が可能で、複雑な風味に仕上げることも得意な焙煎機。まだまだ、直火式焙煎機の可能性を探っていきたい」と勝本さんは話す。

その研究熱心な姿勢は、世界一のシングルオリジンコーヒーを発掘するというテーマを掲げるロースティングコンペティション、COFFEE COLLECTION WORLD DISCOVER 2023のNatural(生産処理)部門で全国1位に輝いた実績から見えるというものだ。

2階のイートインスペース。窓の外に上江津湖畔の木々の緑が広がる


1号店である下通の店は仕事の合間や買い物途中などにサクッと利用するのに適したスタンド的な店舗。一方、今回訪れた上江津湖ほとりの2号店は、2階のイートインスペースほか、YARD内のテラス席、公園のベンチなどでゆっくりコーヒーが楽しめる環境。

1階はテーマカラーの黒で統一


ドリップコーヒー(500円〜)はその日ある豆から好みで選べる。品書きにたくさん並ぶ産地や品種、生産処理。“はじめまして”なコーヒーばかりかもしれないが、まずはスタッフとの会話を通して、直感で気になるシングルオリジンを選んでみてほしい。

勝本さんレコメンドのコーヒーショップは「ROTARY COFFEE」

「熊本市街中心部からはやや外れた場所にある『ROTARY COFFEE』。店主の東さんをはじめスタッフさんたちがいい意味でフランクで、とってもアットホーム。コーヒーはもちろん、手作りのスイーツもおいしいんです」(勝本さん)

【Coffeedotのコーヒーデータ】
●焙煎機/フジローヤル3キロ直火式
●抽出/ハンドドリップ(ORIGAMI)
●焙煎度合い/浅煎り〜深煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/150グラム1300円〜


取材・文=諫山力(knot)
撮影=坂元俊満(To.Do:Photo)

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