コーヒーで旅する日本/九州編|入口がコーヒーじゃなくても。「Little O coffee&donut」なりのコーヒーの裾野の広げ方
東京ウォーカー(全国版)
さまざまなモノ・コトのフィルターにコーヒーを

「Little O coffee&donut」はドーナツだけテイクアウトしてもいいというスタイルではあるが、やっぱり同店ではコーヒーを味わってほしい。その理由が小川さんのバリスタとして高い技術を持っているからだ。日本、韓国、台湾で活躍するバリスタを対象として初開催されたエスプレッソ抽出の競技会・EL ROCIO CUP 2024でチャンピオンとなったほか、熊本で行われたエアロプレスの競技会でも1位を獲得。特にEL ROCIO CUPは大会そのものの歴史は浅いものの、コーヒーのレベルが高い韓国、台湾のバリスタも参加した中で1位を獲得したのはすごいことだ。

さまざまな競技会に参加していること自体、コーヒーに対して真摯に向き合っていることは明白だが、小川さんは地元のコーヒーのレベルを底上げしていくための取り組みも行っている。それが、2024年9月に初開催したKitakyushu Hand Drip Championship(KHDC)だ。小川さんにイベントを開いた理由を聞いてみた。

「熊本で行われたエアロプレスチャンピオンシップに参加して、強い感銘を受けました。競技会としては決して規模が大きいわけではないのですが、その根底にあったのはコーヒーを通してさまざまな人が繋がり、その地域においてより魅力的なコーヒーを提供していこうとする姿勢です。北九州にはそういう取り組みがなかったので、いろいろ考えるよりも、まずはやってみよう!と実行に移しました。初開催でいろいろ反省点はありましたが、自分の中ではこういった機会をもっと増やしていく必要があると感じる貴重な機会になりました」

コーヒーの可能性を自分なりの形で着々と表現する小川さん。最後に今後の展望や目標を聞いてみた。
「現在、Peace Ave.のオーナー・石井さんが導入した焙煎機を使って、両店舗で使うコーヒー豆の自家焙煎を始めたところ。前職で焙煎経験があることから僕が焙煎を担当していますが、味作りや商品の方向性は石井さんと一緒に考えながら行っています。2025年頭には新たにロースタリーブランドを立ち上げる予定で、あえて非日常の特別な時間を演出するようなコーヒー豆をラインナップしていこうと考えています。ほかのロースタリーとは異なるアプローチで、自分自身も楽しみながらいろいろなことにチャレンジしていきたいですね」
小川さんレコメンドのコーヒーショップは「Peace Ave.」
「僕が店舗を間借りしている『Peace Ave.』。空間は同じですがバースタイルの店舗で、メニューは当然ガラリと違います。オーナーの石井さんはジャパン コーヒー イン グッド スピリッツ チャンピオンシップというコーヒーカクテルの技術を競い合う競技会で入賞するなど、北九州を代表する凄腕のバーテンダーです。お酒は飲まなくてもコーヒーだけの利用もできますよ」(小川さん)
【Little O coffee&donutのコーヒーデータ】
●焙煎機/Aillio BULLET
●抽出/エスプレッソマシン(VIBIEMME)、ハンドドリップ(HARIO スイッチ)
●焙煎度合い/浅煎り〜中煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/なし
取材・文=諫山力(knot)
撮影=坂元俊満(To.Do:Photo)
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
同じまとめの記事をもっと読む
この記事の画像一覧(全12枚)
キーワード
- カテゴリ:
- タグ:
- 地域名:
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国約1100カ所の紅葉スポットを見頃情報つきでご紹介!9月下旬からは紅葉名所の色付き情報を毎日更新でお届け。人気ランキングも要チェック!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介