見た目は怖いが、平和主義でおおらかなクロサイ。唯一の敵は「人間」!?【会えなくなるかもしれない生き物図鑑】

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角を狙った乱獲で野生の個体数が激減。密漁防止の活動が必要

――野生下のクロサイは絶滅危惧種に指定され、かなり数が減っていると言われている。その原因と現状はどうなのだろうか。

安佐動物公園が開園する1970年ごろ、クロサイは2万頭ほど生息していると言われていました。しかし、角を狙った密猟が急増し、一時期2000頭程度まで落ち込んだそうです。現在は保護活動が進み、現地のレンジャーがとても頑張ってくれたため密猟の数も減り、昨年のデータでは5303頭まで回復したそうです。一時期に比べれば倍以上に増えてはいますが、安心できる頭数ではありません。今後もさらなる保護活動や、密猟防止のための活動が必要です。

密猟の狙いはサイの角。ブラックマーケットでは同じ重さの金よりも高額で取引され、家が建つとも言われています。サイの角を刀の鞘に使う民族や、漢方薬にする人たちがいます。最近はサイの角には薬の効果がないと理解している人が増えているようですが、それとは別にステータスとして、サイの角を薬として使っているという話もあります。

私たちはこれに対し、繁殖を推進するほか、世界サイの日を活用するようにしています。毎年9月22日は、世界中のサイのことを考える世界サイの日。安佐動物公園も2013年から参加していて、その日はクロサイをはじめとしたサイ5種の置かれている現状などについて話すイベントの実施や、缶バッジを配って来園者への啓発に努めています。そのほか、動物園で年4回発行している「すづくり」という機関紙やTwitter、ブログでも情報を発信しています。

カートで園内を移動する飼育係の屋野丸勢津子さん写真提供:広島市安佐動物公園

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