超絶イケメン・シャバーニの素顔とは?性格はフレンドリーで家族との関係性も良好【会えなくなるかもしれない生き物図鑑】

東京ウォーカー(全国版)

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海外に比べ繁殖例が少ない日本。野生では人間との軋轢が

――東山動植物園ではニシゴリラの繁殖にも成功し、現在5頭が生活しているが、国内のゴリラの飼育数は減少傾向にある。

1980年代後半、日本国内のゴリラの飼育数は最大で51頭に達し、各地で見ることができましたが、現在は6施設で20頭にまで減少しています。ゴリラに限らず、1970年代ごろまでは野生から動物園に動物を導入することが世界中で当たり前に行われていました。

しかし、野生動物保護の観点から取引に厳しい規制がかかるようになり、現在の動物園では繁殖と動物園間の個体の異動によって、展示動物を維持しています。ゴリラやアフリカゾウなど、群れで生活する知能の高い大型動物を繁殖させられる施設を持った動物園は限られていて、飼育頭数は減少傾向に転じました。

日本国内で言えば、海外に比べて繁殖の事例が少なかったのも理由の一つ。そもそもオス1頭、メス1頭など、群れを形成しない飼い方です。それに対して、海外では群れ飼育を導入し、しっかりケアしてきました。現状、国内で群れ飼育をしているのは3施設だけ。そういう点で日本は海外に後れを取っています。

野生での個体数が減少した原因としては、森林伐採やレアメタルの採掘、焼き畑農業、内戦などによって生息地が減少したことや、伝染病、さらにはブッシュミートとして、食用にするための密猟など人間の活動が影響していることが挙げられます。こうしたことを非難するだけではなく、現地の人々の生活を維持できるような支援も必要です。

ゴリラの保護区は何カ所かありますが、政情不安で内戦が勃発したりすると、人々がそこに逃げ込む場合も。「ゴリラの保護区だから人間はそこに入るな」というのは、遠くで暮らす人間の勝手な言い分ですね。

来園は雨でお客さんの少ない日に。リラックスしたゴリラたちの姿を見て

――東山動植物園のニシゴリラというと、シャバーニだけが取り上げられがちだが、近藤さんは「シャバーニだけではなく、個体と個体の関係性を見てほしい」と訴える。

チンパンジー舎を眺めるシャバーニ。ニシゴリラを観察した後、チンパンジーを見ればその違いがよくわかる写真提供:名古屋市東山動植物園


東山動植物園はシャバーニがリーダーとして存在していて、その下に4頭がいる。野生のゴリラの群れに近いと感じています。1頭1頭を見ていると、それぞれの関係性もわかってきますよ。お客さんは個体を識別できない場合が多いので、だいたいどの個体も「シャバーニ」とおっしゃいますが、まずはゆっくり見てください。

ゴリラの飼育を担当する近藤裕治さん写真提供:名古屋市東山動植物園


シャバーニはひときわ大きいので見分けがつきますし、見分けがつけば違った面白さも出てきます。ゆっくり時間をかけてゴリラを見た後は、隣の動物舎にいるチンパンジーと見比べるのも、面白いと思います。

ゴリラたちをゆっくり見るなら、雨でお客さんが少ない日がおすすめ。のんびりくつろぐニシゴリラの姿を見るチャンスです。普段とは違う、リラックスモードのゴリラたちを見に来てください。

東山動植物園のエントランス。緑豊かな敷地に動物園、植物園、遊園地があり1日では足りないほどの充実度写真提供:名古屋市東山動植物園


取材・文=鳴川和代

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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