コブの中身は?ツバのニオイが強烈なワケとは?フタコブラクダのさまざまな謎に迫る!【会えなくなるかもしれない生き物図鑑】

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

背中のコブには何が入ってる?

――誰もがラクダと聞いて思い浮かべる背中のコブには「水が入っている」と言われることもあるが、実際には何が入っているのだろう?

メスのルブは21歳以上と考えられる。コブは少し小さめだ


そう思われがちなコブですが、実際は結構堅い脂肪の塊が詰まっています。コブにエネルギーを蓄えておくことで、1週間くらいは飲まず食わずでも生きていけるそうです。砂漠やモンゴルの草原など、野生下の厳しい環境で生き延びるためのエネルギーが蓄えられているということですね。もちろん、エサを食べないとコブはどんどん小さくなっていきます。

――飲まず食わずでも何日か過ごせるフタコブラクダ。気になるのは、園内での食生活だ。

水を飲むときは一度に大量に、一気に飲みます。体が大きいので、ためておけるんです。エサはカナダ産のチモシーという、イネ科の牧草を干したものを主に与えています。園内には樹木や草が生えているので、そういったものも食べますが、主な食べ物は干し草です。

だいたい1頭当たり1日10キロほど、かなり大量に食べます。昼間は群れ単位で、1回につき15~20キロの牧草を数回与え、残りは夕方に動物舎へ戻ってきた時に与えています。

夏のラクダは坊主頭?冬毛と夏毛でこんなに違う

――コブのほかにも、厳しい自然環境に耐えられる体の仕組みなどはあるのだろうか。

ラクダのもう一つの特徴として、寒暖差に強い点があります。ラクダは体温調節できる幅が広く、34~40度ぐらいで自動的に体温が変化。暑い時、人間は汗をかいて体温を調節しますが、ラクダは体温を上げることで汗をかかないようにし、体内の水分をなるべく逃さないようにして、暑さに耐えます。体温が40度以上になった時、初めて汗をかくそうです。

一方、冬の寒さは体毛で調節。冬毛はかなり長く保温性と保湿性に優れているため、厳しい寒さでも体温を維持できます。富士サファリパークは冬場、マイナス5~6度くらいになったりしますが、それくらいの寒さにはビクともしません。

なお冬と夏では、見た目も結構変わります。冬は毛がすごく長いのですが、夏になると坊主頭くらいの短さに。同じ動物なのに印象が随分違うので、冬も夏も両方見に来ていただきたいですね。

雪が降り積もるような寒さでも、冬毛なら大丈夫

換毛期が始まったフタコブラクダ。しゃれたデザインカットのようなスタイルに

夏毛になると、足取りも軽く見える


冬毛から夏毛に代わるとき、うちの園では岩組みや樹木に体をこすりつける姿が見られます。冬毛を落とす目的のほかに、どうやらかゆみもあるようです。大きい体をこすりつけるしぐさが、一生懸命で愛らしいんですよ。ほかの動物も体をこすることはありますが、フタコブラクダほど一生懸命になる動物はいませんね。

換毛期のかゆみは岩組みなどに背中をこすりつけて解消する。一生懸命こすりつける姿がかわいらしい


  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6

この記事で紹介しているスポット

この記事の画像一覧(全306枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

花火特集

花火特集2025

全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!2025年全国で開催予定の花火大会

夏休み特集2025

夏休み特集 2025

ウォーカー編集部がおすすめする、この夏の楽しみ方を紹介。夏休みイベント&おでかけスポット情報が盛りだくさん!

CHECK!夏祭り 2025の開催情報はこちら

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る