コブの中身は?ツバのニオイが強烈なワケとは?フタコブラクダのさまざまな謎に迫る!【会えなくなるかもしれない生き物図鑑】
東京ウォーカー(全国版)
背中のコブには何が入ってる?
――誰もがラクダと聞いて思い浮かべる背中のコブには「水が入っている」と言われることもあるが、実際には何が入っているのだろう?

そう思われがちなコブですが、実際は結構堅い脂肪の塊が詰まっています。コブにエネルギーを蓄えておくことで、1週間くらいは飲まず食わずでも生きていけるそうです。砂漠やモンゴルの草原など、野生下の厳しい環境で生き延びるためのエネルギーが蓄えられているということですね。もちろん、エサを食べないとコブはどんどん小さくなっていきます。
――飲まず食わずでも何日か過ごせるフタコブラクダ。気になるのは、園内での食生活だ。
水を飲むときは一度に大量に、一気に飲みます。体が大きいので、ためておけるんです。エサはカナダ産のチモシーという、イネ科の牧草を干したものを主に与えています。園内には樹木や草が生えているので、そういったものも食べますが、主な食べ物は干し草です。
だいたい1頭当たり1日10キロほど、かなり大量に食べます。昼間は群れ単位で、1回につき15~20キロの牧草を数回与え、残りは夕方に動物舎へ戻ってきた時に与えています。
夏のラクダは坊主頭?冬毛と夏毛でこんなに違う
――コブのほかにも、厳しい自然環境に耐えられる体の仕組みなどはあるのだろうか。
ラクダのもう一つの特徴として、寒暖差に強い点があります。ラクダは体温調節できる幅が広く、34~40度ぐらいで自動的に体温が変化。暑い時、人間は汗をかいて体温を調節しますが、ラクダは体温を上げることで汗をかかないようにし、体内の水分をなるべく逃さないようにして、暑さに耐えます。体温が40度以上になった時、初めて汗をかくそうです。
一方、冬の寒さは体毛で調節。冬毛はかなり長く保温性と保湿性に優れているため、厳しい寒さでも体温を維持できます。富士サファリパークは冬場、マイナス5~6度くらいになったりしますが、それくらいの寒さにはビクともしません。
なお冬と夏では、見た目も結構変わります。冬は毛がすごく長いのですが、夏になると坊主頭くらいの短さに。同じ動物なのに印象が随分違うので、冬も夏も両方見に来ていただきたいですね。



冬毛から夏毛に代わるとき、うちの園では岩組みや樹木に体をこすりつける姿が見られます。冬毛を落とす目的のほかに、どうやらかゆみもあるようです。大きい体をこすりつけるしぐさが、一生懸命で愛らしいんですよ。ほかの動物も体をこすることはありますが、フタコブラクダほど一生懸命になる動物はいませんね。

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