超濃厚煮干しラーメンの名手が、本当に作りたかった一杯とは?

東京ウォーカー

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東京・本郷三丁目の人気店「麺屋 ねむ瑠」に、待望のセカンドブランドが誕生。2018年5月16日に蒲田にオープンした「麺屋 まほろ芭」で、超濃厚スープの「濃厚牡蠣煮干しそば」(880円)が看板メニューだ。しかしほかにもここでしか味わえない、必食メニューがあった!

「旨味だし淡麗中華そば(醬油)」(780円)。鶏清湯に2種の煮干しやアサリなどの魚介系を合わせている。キリっとした醬油ダレは黒トリュフのソースが隠し味


鶏と煮干しのバランスを重視した「旨味だし淡麗中華そば」


そのメニューこそ、「旨味だし淡麗中華そば」。その名からもわかる通り、あっさり系のラーメンだが随所にこだわりが詰まっている。

スープのジャンルは鶏&魚介の清湯(チンタン)。鶏ガラとモミジに、片口イワシとイリコの2種の煮干し、カツオの粗削り節やシイタケなどを水出しから仕込んだ魚介ダシを合わせ、弱火で丁寧に煮込んで旨味を抽出している。

その際、ポイントとなる食材が二つある。一つめが鶏肉。骨とは異なり、肉自体の旨味が直接溶け出すことで、スープにさらなる厚みが出るそう。そしてもう一つがアサリ。アサリには「コハク酸」という旨味成分が豊富で、スープにさらなる奥行きと深みを与えてくれる。

沖縄・北谷(ちゃたん)の海塩を使った塩(780円)も選べるが、一押しは醬油(780円)。醬油ダレには、天明7年(1787)年創業の「岡直三郎商店」(町田市)の「生揚げ醬油」を使用。約230年受け継がれてきた木桶仕込みの天然醸造醬油で、醬油本来の風味と香りがスープを引き立たせる。さらに黒トリュフソースが隠し味に。醬油の風味を邪魔することなく、気品あふれる香りをさらに重ねている。

【ラーメンデータ】<麺>中細/角/ストレート <スープ>タレ:醬油 仕上油:鶏油(チーユ) 種類:鶏ガラ・魚介(煮干)

【写真を見る】鶏の旨味と魚介の風味を巧みに引き出した清湯スープ。丁寧にこして不純物を取り除いているので濁りは一切ない


店主の松原昭彦さん。有名チェーン店に15年勤めたのち独立。2015年に「麺屋 ねむ瑠」を立ち上げ、2018年5月に「麵屋 まほろ芭」をオープンさせた


あっさり淡麗系、こってり濃厚系の名店がイメージを一新させる


麺は、地元・大田区の「菅野製麺所」に特注した中細ストレート。加水率が23%と低めで、パツパツとした歯切れが特徴。「濃厚牡蠣煮干しそば」と同じタイプだが、あえて柔らかめに茹でることで、クリアなスープとの絡みがよくなるよう工夫している。

具は太メンマやタマネギなど。なかでも自慢は低温調理で仕上げた豚肩ロースのチャーシュー。ハムのようなしっとりと柔らかで、噛むほどに旨味が増す。

シンプルながら、随所にこだわりを散りばめた淡麗系のラーメンは、濃厚な“イカ煮干し”が代名詞の「麵屋 ねむ瑠」のイメージを一新させる。

しかし、「本当に作りたかったのは、こっちの『旨味だし淡麗中華そば』の方なんです」と店主の松原昭彦さん。

「『ねむ瑠』のセカンドブランドということで、濃厚系を期待されるお客様が多いため、“カキ煮干し”を看板メニューに据えました。でも私が最も自信があるのが実は淡麗系。こちらもぜひ味わってほしいです」

麺は低加水の中細ストレート。濃厚系と同じタイプだが、淡麗系スープによく絡むよう、茹で時間を長めに設定し、柔らかめに仕上げている


風味を際立たせるのが香味油。国産の赤鶏から抽出した鶏油(チーユ)で上品な香りのほか、スープにコクもプラスする


豚肩ロースのチャーシューも自信作。特製ダレに1日漬け込んだのち、真空パックにして低温でじっくり仕上げている


蒲田駅東口から徒歩6分ほど。大田区民ホールの真裏に佇む。麺は地元・大田区の「菅野製麺所」に発注していて、同社の立て看板も店先に掛かる


取材・文=河合哲治郎/撮影=岩堀和彦

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