コーヒーで旅する日本/九州編|“今、この瞬間を大切にする”を形に。ロースタリー「くつろぎ珈琲」は次のステージへ

九州ウォーカー

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長くコーヒーと関わっていきたい

豆売りがメインだが、店内の一角、テラス席でコーヒーを飲むこともできる

「カフェ主体で、定休日を除き12:00〜24:00という営業スタイルをおよそ6年間続けてきました。夜カフェというイメージも根付き、ありがたいことに夜も多くのお客さまにご利用いただけていたんです。ただ、そんな日々を過ごしていると、どこかで無理をしている自分がいることに気付いたんですね。焙煎を始めて、日々抽出をして、コーヒーと関わるのはすごく楽しいことなのに、『これが最良だ』とは思えない自分がいる。それで、2019年ごろから豆売りをメインとする業態に変更することを考え始めました」

焙煎機は1993年製のPROBAT LG5

小田さんが最初に取り掛かったのが新しい焙煎機の導入準備。導入を熱望した焙煎機はオールドのPROBATだった。「いろいろな店のコーヒーを飲み歩く中で、 自家焙煎珈琲 萌香 さんのコーヒーを飲んだ時に感動したんです。萌香さんは焙煎室が外から見えるようになっていて、そこに据えられた焙煎機がオールドのPROBATだったんですね。さらに、 珈琲蘭館 さんのコーヒーもすごく好きで、『いつ来ても蘭館さんのコーヒーは本当においしいな』と思っていたら、萌香さんとほぼ同型のPROBATを使われているという。それで『絶対次に導入する焙煎機はオールドのPROBATだ』と決意したんです」

2019(令和元)年11月、人の縁やタイミングにも恵まれ、トントン拍子に2号店である宮地店がオープンしたこともあり、本店である若木台店のリニューアルに着手。2020(令和2)年2月に一度店を閉め、小田さんはじめスタッフで内装工事を行った。「ちょうどコロナ禍に入った時期だったのもタイミング的には良かった」と小田さんは振り返る。同年4月に豆売りメインの店へとリニューアルし、9月に念願だった新たな焙煎機の導入も果たした。

固定概念にとらわれることなく

豆はブレンド6種、シングルオリジン3種を常時ラインナップ

そんな8年半という時間を歩んできた「くつろぎ珈琲」のコーヒーは、ブレンドに個性が光る。もともとほぼ独学で焙煎に取り組んできたことから、小田さんには“コーヒーとはこうでないといけない”という固定概念がない。例えば、おすすめのハウスブレンドの1つ「日和」は、浅煎りと深煎りの2種の豆をブレンドしているという。一般的に、同じぐらいの焙煎度合いの豆をブレンドするのがセオリーとされているだけに驚いた。ただ、飲んでみると浅煎りの柑橘系のフレーバーを一口目に感じ、後から深煎り由来のキャラメル感のある甘味が包み込むような味わいで違和感はない。むしろ斬新な飲み口とアフターテイストでおもしろささえ感じる。

コーヒーの味わいで大切にしているのは、日々飲み飽きない味

小田さんは「実際、先輩のロースターさんなどからは驚かれることもしばしばですが、私自身いちコーヒーラバーとして、“おいしい”“日々飲みたい味わい”という点を意識して焙煎・ブレンドしています。仕入れる生豆も、先入観なしで選ぶように、あえてブラインドカッピングをしたり。正攻法ではないかもしれませんが、自分が飲み手だったらという視点はこれからも大切にしていきたい」と話す。

そんな小田さんは今年の春、念願だった産地訪問が決まっている。生豆の仕入先の一つ、BOOK your COFFEEの協力による渡航で、エルサルバドルとニカラグアの農園に足を運ぶ予定だ。「今までは商社さんから生豆を仕入れるというスタイルで、それが悪いというわけではないのですが、いろいろな農園のコーヒーを“つまみ食いしている”という気持ちになってきたんです。これからもコーヒーと関わって生きるなら、生産者さんと長くお付き合いをしていけるような関係性を築きたい。そんな気持ちから産地訪問をしたいと考えました」

2020年から焙煎に注力し、さらに産地を自身の目で見ることを決めた小田さん。「くつろぎ珈琲」がロースタリーとして歩み始めた第2のステージはどんな展開になっていくのか。今後の同店に期待が膨らむ。

小田さんレコメンドのコーヒーショップは「ミタニコーヒー」

「福岡県福津市にある『ミタニコーヒー』。もともと当店でスタッフとして働いてくれていた女性店主の三谷さんが営む店で、店舗オープン後は焙煎にもチャレンジしています。昔からコーヒーが本当に好きで、抽出もエアロプレスにこだわるなど、オリジナリティが光ります。古民家を活用した店の雰囲気もステキなので、当店のお客さまにもよくおすすめしていますよ」(小田さん)

【くつろぎ珈琲のコーヒーデータ】
●焙煎機/PROBAT LG5
●抽出/ハンドドリップ(HARIO V60)、エスプレッソマシン(SYNESSO MVP HYDRA 1gr.)
●焙煎度合い/浅煎り〜深煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/100グラム880円〜


取材・文=諫山力(knot)
撮影=大野博之(FAKE.)

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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