コブの中身は?ツバのニオイが強烈なワケとは?フタコブラクダのさまざまな謎に迫る!【会えなくなるかもしれない生き物図鑑】

東京ウォーカー(全国版)

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野生を身近に感じられる動物園や水族館。動物たちは、癒やしや新たな発見を与えてくれる。だが、そんな動物の中には貴重で希少な存在も。野生での個体数や国内での飼育数が減少し、彼らの姿を直接見られることが当たり前ではない未来がやってくる、とも言われている。

そんな時代が訪れないことを願って、本連載では会えなくなるかもしれない動物たちをクローズアップ。彼らの魅力はもちろん、命をつなぐための取り組みや努力などについて各園館の取材と、NPO birthの久保田潤一さんの監修でお届けする。第12回の今回は、静岡県裾野市の富士サファリパークでフタコブラクダを担当する伊藤良太郎さんに、お話を聞いた。

シマウマとフタコブラクダたちがのどかに草を食む


――富士サファリパークは、富士山のふもとに広がる、日本最大級のサファリパーク。1980年に開園し、ライオンやチーター、ヒョウ、ゾウなど、多彩な動物たちが、富士山の見える豊かな自然の中で飼育されている。

メスのカラ(3歳)。カラハリ砂漠にちなんだ名前だ


広大な敷地でさまざまな動物を混合展示

富士山の見える豊かな自然の中で暮らすフタコブラクダ。ジャングルバスの来園者からエサをもらおうと近寄ってきた

さまざまな生き物を一緒に飼育する混合飼育を基本としていて、それぞれの動物のゾーンが広いのが特徴です。トラなどの肉食獣のスペースも広く、動物にとっては暮らしやすい環境だと思います。フタコブラクダは一般草食ゾーンで、キリンやシマウマ、ラマなどと一緒に暮らしています。開園翌年の1981年から飼育しているので、すでに40年以上の実績がありますね。

季節によって表情を変える富士山も富士サファリパークの魅力だ

オスのトノ(9歳)


現在はオスがゴビ(20歳)、ソオ(10歳)、トノ(9歳)、ハリ(4歳)の4頭、メスがルブ(21歳)、サラ(21歳)、カカオ(9歳)、カラ(4歳)、ココア(3歳)、ラブ(2歳)の6頭の、合計10頭。ソオとカカオは他園からやってきたペアで、ココアはカカオの仔。ラブはルブの仔と、繁殖にも成功しています。

メスのココア(3歳)

オスのハリ(3歳)もカラハリ砂漠からつけられた名前だ


フタコブラクダの寿命は、飼育下では30年程度と言われています。ゴビやルブ、サラはラクダの中では中年より少し上ぐらいの部類です。繁殖は4歳から20歳くらいまで可能と考えられています。これからはカラとハリに期待がかかりますね。

メスのルブは21歳以上と考えられる。コブは少し小さめだ


フタコブラクダとヒトコブラクダ、何が違う?

――ラクダを象徴する特徴はその背中のコブ。コブが1つのヒトコブラクダと、2つあるフタコブラクダには、他にどんな違いがあるのだろうか。

まず、性格に違いがあります。ヒトコブラクダとフタコブラクダはいずれも家畜として飼われている動物で、比較的温厚だと言われています。両者を比較すると、ヒトコブラクダの方がやや攻撃的で、フタコブラクダはより温厚だとされます。

生息域はフタコブラクダが中国の北西部やモンゴルなどに分布。ゴビ砂漠などに生息しています。ヒトコブラクダはアフリカに生息していましたが、すでに野生個体群はなくなっていると言われています。

ラブ(2歳)はルブの娘


そして、一番の違いは体格です。ヒトコブラクダは足が細長く、すらっとしているのが特徴。フタコブラクダは骨格がしっかりしていて、脚が太い。体重も重く、ずっしりしています。

メスのカカオ(9歳)


このフタコブラクダですが、近年の研究により、家畜ラクダと野生ラクダは別な種類だとする発表がされています。見た目はそっくりですが、遺伝的に見るとかなり古い時代に分かれているようです。なお富士サファリパークで展示しているのは、家畜ラクダの方です。

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